身体の動きがコミュニケーションにつながる理由

人の発達は、ピラミッドのような形で表現するとわかりやすくなります(図参照)。
土台となるのは、身体の受容器である感覚刺激です。
五感と呼ばれる嗅覚、視覚、聴覚、味覚、触覚以外にも平衡感覚の前庭覚や固有受容覚などの感覚システムが整うことで土台が形成されます。
その感覚を使い身体の動きや反射の統合が整うことで姿勢が安定するようになります。
更にこの土台をもとに、眼と手の連動、眼球コントロールや空間認識などの認知行動が整います。
この頃に言語の発達が伴い行動やふるまいを身に着けようとする学習する知的活動が始まっていきます。
コミュニケーションや社会性を学ぶには、このピラミッドの土台をしっかりと作っておく必要があります。
その土台となる感覚システムがとても重要であることがよくわかります。

発達のピラミッド

感覚システムと困りごとの深い関係

触覚系にトラブルがあり触覚防衛反応が強く出てしまう場合では、触れられるのを極端に嫌がることで人を避けるようになり一人遊びを好んだり、同じ遊具や同じ衣服ばかりを使いたがったりします。
また、固有覚のトラブルでは身体の使い方にぎこちなさが残り、周りと同じことをするのが苦手だったり、作業が大雑把、声が大きい、字を書くのが苦手など生活上で困難さが生じてきます。
いずれも友達同士の活動や集団でのトラブルに繋がってしまいます。
あまり関係ないように思えるかもしれませんが実際には多くの場面で身体の動きとコミュニケーションには関わりがあるのです。

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