「手をつなげるのは、寝ている時だけなんです」
──そんなお声をよく聞きます。
眠っているときは、手を握らせてくれるのに、
起きていると、さっと手を引っ込めてしまう。
「なんで?」「嫌われてるのかな…?」と、心がざわつくこともありますよね。
でも、もしかしたらそれは「嫌がっている」のではなく、
まだ“つなぐ準備”が整っていないだけかもしれません。
手をつなぐって、実はとても高度な行動です
「手をつなぐ」には、思っている以上にたくさんの“育ち”が関わっています。
たとえば…
- 人に触れられることへの安心感
- 触覚やバランス感覚など、感覚の心地よさ
- “この人と一緒にいたい”という気持ちの芽生え
これらが揃って、はじめて「手をつなぎたい」という気持ちや行動が出てくるのです。
身体の感覚の不具合があると…
「つなぐのを嫌がる」のではなく、
“つながれる”ことがつらく感じる子もいます。
たとえば…
- 触覚過敏 → 手を触られることが不快に感じる
- 前庭覚の過敏 → 揺れや引っ張られる感覚が怖い
- 固有感覚の調整不良 → 力加減がうまくいかず違和感を感じる
こうした感覚面の困りごとがあると、手をつなぐこと自体が大きなストレスになってしまうのです。
こころの発達の視点から見ると…
Marble Methodでは、
フェーズ2〜3で育ってくる「関係への期待感」や「安心感」が、
手をつなぐためのこころの準備と深くつながっていると捉えています。
“この人と一緒が心地いい”
“自分を受け入れてくれる人だ”
そう感じられることで、はじめて子どもたちは“手をゆだねよう”と思えるのです。
まぁぶるでは…
私たちは、無理につなごうとはしません。
それよりも、
- 近くに座る
- 同じ空間で遊ぶ
- そっと視線を合わせる
といった安心の土台をコツコツ育てることを大切にしています。
そして、その子の「つなぎたい」が自然に芽生える瞬間を、焦らず、待ちます。
まとめ
「手をつなげない」のは、“嫌”のサインではなく、
「今はまだ、心と体の準備が整っていない」というサインなのかもしれません。
その子の“今”に合わせて、少しずつ「つながる力」を育てていく。
それが、まぁぶるの支援のかたちです。