——筋力ではなく感覚の問題
「ちゃんと座って!」が難しいのは、やる気の問題ではありません。
「ちゃんと座って!」
はじめはピッとして肩にも首にも力が入って……でもそんなに長続きしません。
普通に座って話を聞いたりできる子はたくさんいるのに、どうしてできないんだろう。
力の入れ加減とは、意識して強めた筋肉(緊張)と、意識して弱める(弛緩)筋力のバランスです。
はじめはちゃんとできるのに突然「もう出来ない!」と目一杯力が抜けて横になってしまう。この極端さは、筋力がないというよりも筋肉のコントロールがうまく出来ていないからなんです。
これらの感覚がうまく発達できずに「加減」がうまく調節できないと、姿勢保持が難しくなると言われています。だらけて見えてしまうのはこのせいかもしれません。
右手と言われてすっと「無意識」に出せますよね。でもそれはいつからでしょう。意識しなくてもできるようになるまでには、とてもたくさんの経験を積むことが必要です。
「右足出して、次に左足出して……。手は足と反対側の手だから左手を……左手どっちだっけ。あれっ?一緒になっちゃった。もう一回初めから……」——もし、無意識にできずに毎回このように考えてから行動していたとしたら、とても疲れてしまいます。
やりたくないことから逃げる言葉として「疲れる」「疲れた」と言うことがあります。まだやってもいないのに……。
でも、これは苦手なことや嫌な感覚から逃れるための精一杯の自己防衛なのです。
見えない苦手さをもつ子どもたちは、極力その感覚を避けようとします。過去にあった苦手なことだけでなく、これから初めて行うことにも「出来ない」意識が強くなりやろうとしなくなります。
やってもいないのに「疲れる」という場合は、
見えない苦手さ(見えない不安)を抱えていることが多いのです。